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トクサツガガガ 感想④ 親の理解は必要か

ゲンカ将軍だけでなくシシレオーも剣を持っていたのは、まさか娘の応戦ビンタを現していたとは予想出来なかった。特撮への憎悪にも見える母親の言動はだんだんとエスカレートしていき視聴者側としては観ているのがキツくなるくらいだったのだが、おとなしい主人公が最後にキレるのはアリがちとはいえ心の準備をしていなかった。これまでが結構ゆるめなドラマだっただけにギャップというかショッキングな終り方で驚いた。ラスボスママとの決戦は最高潮、最終回に向けての演出としては100点ではないだろうか。

 

一般的に大人になっても追いかけているとオタクというレッテルを貼られてしまうカテゴリーの趣味であるアニメ・特撮・アイドル等。共有できる同志がいれば楽しさも倍増すると思えるが周りの理解はなかなか得られない。娘が幼い頃は特撮を喜んで見ていた流れで、ヒーローショーに連れて行ったり映画を見に行ったりしていた。特に仮面ライダーは響鬼・カブトのデザインが良かったのと大人向けの精巧なフィギュアも出始めたせいで何体か購入した。リビングなどに飾り始めたら嫁がボソッと「つきあってたときに知ってたら結婚してないかも」と言われた。なんだとカブトはむしろ自分の方が観てただろう。マジョーラカラーの響鬼の美しさを理解できないのか。フィギュアに手を出すとオタクになるらしい。

 

特に無理解な人間に分かってほしいとか、ましてや同志にしたいとかは思ったことはない。任侠さんの母親のような気遣いも不要。自分が分かればいいというスタンスが最も楽だし、思いついたら始めて飽きたらやめられる機動性も高い。ただし主人公の母親のようにやめさせようとされたら困る。我が嫁は鼻で笑いながらも止める気配はなかった。ワシには分からんと言いながらモモタロスは大好きだったようだし。娘はむしろプリキュアも特撮もいける両刀使いだったが、今では流行りのバンドとお笑いという別カテゴリーの両刀使いになっている。吉沢亮がTVに出たときに「フォアッター!」と言ってみてももう無反応である。親からむしろ特撮を与えられて喜んでいた環境でも一般的には卒業してしまうものだと身近に感じた。

 

女の子で特撮好きという状況は一般的な趣味趣向をもった人に比べると大変そうではある。外野が無関心なら害はないが、無理解で介入してくると実害を受ける。母親のような身近な立場で特撮全否定な人間がいる場合は安心して生活も出来ない。ただ父親の視点でもし娘が特撮好きのまま大人になったらと思うと懸念ゼロというわけにはいかなかっただろうとは思う。私のようにあとから嫁にバレるパターンならいいが(いいのか?)本人が外野に理解を求めるオープンタイプだと一般的趣味の方々の何割かからは色眼鏡で見られることは出てくるだろう。なので100%母親が悪いとは言い切れないところがまた辛いところなのだ。

 

この物語の流れからは娘ガンバレお母ちゃんを黙らせろといった感情で観ている人は多いだろう。もちろん自分もその一人なのだけれど、お母ちゃんの気持ちも分からなくはないのでこの戦いの決着はどうなるのかとても興味深い。個人的には親に自分の趣味を理解させる必要はないと思うが、その趣味を持っていても幸せに生きる方向には向いているということを伝えるべきではないかと思う。特に心配をこじらせてしまった親に対しては。